ソフィアとの戦い#8
ソフィアとの戦い#8
いささか久しぶりすぎる気もするので、おさらいをすると、ベルソート団に囚われたソフィーを救い出して、アリッソラへ戻ってきたのである。
アリッソラ道場のドアマンと話す。
「久しぶりだね」
そうだね。色違いのテムテムが出るかもと思って、近くの草むらで頑張ってたんだけど、無駄な時間を過ごしちゃったよ。
「色違いは8000分の1の確率だからね。たまにLUMA(色違い)持ってる人も居るけど、あいつら24時間稼働しているロボットみたいで気持ちが悪いよ」
本当にロボットな気もするけどね。
「えっ、何だって?」
いや、なんでも無いよ。そんな事より、今日はソフィアに挑戦しに来たんだよ。ソフィアは戻っているかい?
「うん。戻ってきたよ。君はヒーローだって、ソフィアさんが言ってたけど、そんなに強いのかい?」
いや、それほどでもな・・、うっ・・・、イテテテ。
「私は強いザマスヨッ!」
あぁ、そうだね。ごめんよ、グランパ。
「わかれば、よろしいザマス」
「えっ、TEMTEMが喋っている?」
そうだよ。喋るのが当たり前ではないのかい?
「変なの。普通は喋らないよ。なんだか人間みたいで気持ちが悪いなぁ」
・・・・・・?
さてと、前置きが長くなってしまったけれど、ソフィアはどこに居るのかな。道場の中へ入ると、外から見たより遥かに高さがあるようだ。なぜなら、入り口は、建物の全体からすると上の方に位置していて、大部分が地下にあるのだ。
ここまで掘り下げている理由は不明だが、まるで巨大なアスレチックパークである。構造は迷路のようになっており、簡単にソフィアには辿り着けない仕組みだ。
このアスレチックだが、水や風の力を利用して移動する仕組みになっており、人を意図もたやすく動かすぐらいの威力なので、莫大な電力エネルギーが必要になるだろう。また、過ってあらぬ方向へ飛ばされ、怪我をしてしまう人も多数出るだろうことは想像に難くない。電気代と損害賠償だけでも相当な出費だろうが、はたして道場経営は順調なのだろうか。
道場で修行中の人たちと出会う。
もれなく戦いを挑まれるのだが、サクサクっと倒していく。もはや、この道場に敵なしである。
「なんてこったい!」
・・・・・・、パンナコッタッ!
そんなこったで、ソフィアを見つけた。
お久しぶりですね。お元気でしたか?
「あんた・・・、遅かったわね。おかげで、大事な婚期を逃しちゃったわよ」
いや、今からでも遅くはないとは思いますが、私には関係のない話です。
「Je voulais te voir...(会いたかったわ・・・)」
Je ne vous aime pas...(私は、あなたが好きではありません)
「あらヤダっ!」
「こんなに私を待たせるなんて、許せないわっ!覚悟しなさい」
ソフィアとの決戦。さすがに道場主だけあって、手強い。こちら側は、相性無視で猪突猛進する脳筋軍団なので、レベル差があっても互角の戦いだ。
「なにか言いましテ?」
いや、なんでも無いよ。頑張ってくれ。
津波使いのオセアーラ。こいつの津波をまともに受けると、一気に形勢が不利になりそうなので、集中的に狙う。
じつは、隣のスパルツィの方も強かったのだが・・・。
それでも何とか、全部倒しきった。やっと一人目の道場主を倒すことが出来た。ここまで、長かったな・・・。
「やれやれ、今日はこの辺で見逃してあげるわ」
素直に負けを認めたほうが、可愛らしいですよ。
「あら、そう?それじゃあ、負けを認めるわ。大事なサーフボードをあげるわね」
あれ、いいんですか。もうサーフィンは行かないんですか?
「そろそろ古くなってきたから、新しいボードを注文してたのよね」
・・・・・・。
中古のサーフボードを手に入れた。年季が入っていたほうが使いやすいと信じたい。少し磯の香りが漂う。
「あ、そうそう。次の道場は、モクプニ道場のラウィリよ。飛行船に乗って行くと良いわ」
ありがとうございます。次はいつになるかな。
やっとのことで、1番目の道場破りに成功した脳筋軍団。次は、飛行船に乗って、次の島へ行くことになりそうだ。
冒険は、まだまだ続く。
囚われの身のソフィア、ついに悪の組織ベルソード団現る#7
グランパのお陰で、快調に遺跡の奥へと進んでいく。
しかし、大量に住み着いているのは犬ころのスカイルだけではなかった。
紺色と白を基調としたユニフォームを身にまとう、見るからに胡散臭い連中がこの遺跡に蔓延っていたのである。
彼らはベルソート団員と名乗り、戦いを挑んできたのだ。
組織として良く統制がとれており、蜂の巣をつついたかの如く、次から次へと際限なく現れて、我々の行く手を阻む。
遺跡を進むと、いったん地下に降りるようになっており、そこはフロアの半分ほど海からの水が流れ込んでいるようだ。目の前には、大きな鉄柵で覆われたオリのようなものがある。ベルソート団が、獰猛なテムテムでも閉じ込めているのかもしれない。
そんな事を思いながら、おそるおそる近づいてみる。
なんと、オリの中に居たのは、獰猛なテムテムなんかではなく、アリッソラ道場のリーダーであるソフィアであった。
あなたは、なぜこんな所に閉じ込められているのですか?
「サーフィンを楽しんだあとで、このあたりでちょっと休憩していたのよ。そしたら、大量の部下を引き連れた女性が現れて、私に変な質問をしてきたのよ。隠された財宝がなんとかって・・・」
隠された財宝とは何ですか?
「私にもよくわからないわ。知らないわって言ったんだけど、部下たちに捕まって、ここに閉じ込められちゃったわけなの。」
なるほど、そうだったんですね。今から扉をあけますから、ちょっと待ってくださいね。
グランパ、扉を壊せるかい?
「オーッフォフォフォ、それは無理だワネ。私の風攻撃デハ、そちらの中に入っているソフィアさんも一緒に切り刻んでしまうことになるワヨ」
それでは、どうすれば。ソフィアさん、鍵はどこにあるかわかりますか?
「あの女性が持っているはずよ。確か、レディーロッティーと呼ばれていたと思うわ」
わかりました。それでは、そのレディーロッティーとか言う女性を探しにいきます。それまで、そこで辛抱してください。
レディーロッティーを探して、遺跡の奥へと進む。地下を過ぎた後は、上りになっており、以前にも増してベルソート団員が待ち構えているようだ。
グランパもクリストルも必死に戦った。それでも、連戦に連戦を重ねていくにつれて、ジリジリと体力を削られ、もう駄目かと思われたところで、急に外に出た。
急に外に出たものだから、一瞬目の前が真っ暗になって何も見えない。
徐々に視界が復活してきたので、辺りを見回すと、そこは遺跡の終着点は頂上であった。
近くで女性の声が響いている。
「お宝は近いわっ!なんとしても探し出すのよ!」
声の聞こえる方へ進むと、レディーロッティーと思しき人物が崖のすぐ上に立っていた。
彼女は、遺跡の中に居たベルソート団員たちと似た雰囲気の服を身に着けているのだが、その服は、他の団員とは違って、ワイン色を基調としたワンピース風になっている。特徴的な髪型をしており、髪はまるでお城の鯱のように反り返っている。また、目と眉毛が細くつり上がっており、今にも飛びかかって来そうな雰囲気が漂っている。
あの・・・、あなたが地下に閉じ込めているソフィアという女性を助けるために来ました。彼女はお宝とはなんにも関係ない、ただのサーファーなんです。鍵を渡してください。
「いやに決まっているでしょう?私は悪役よ。アンタも一緒に、地下に閉じ込めてあげるわ!」
グランパもクリストルも奮闘したが、体力はもう既に限界にきていた。
特に彼女が使うバーンシーというテムテムは強く、今までに会ってきたテムテムと比べて異彩を放っている。
「ぐぐぐ、もう駄目ダワ・・・、これまデヨ」
「いや、まだです。ま、まだ諦めては駄目ですグランパさん・・・。も、もう少しです・・・」
やった。何とか倒したぞ。グランパ、クリストル・・・よくやったぞ。ありがとう。
「いえいえ・・・何とか・・・これもグランパさんの・・・。あ、あれ・・・、ご主人さま、何だか身体がおかしいです。う、う、うあああああああ」
まばゆい光に包まれた小さいクリストルの身体が、どんどん大きくなっていく。
「オホホ、あなたも成長しましたワネ」
「グランパさんのお陰ですよ・・・。私だけでは、あのバーンシーを倒すことはできなかったです」
「イイノヨ、言わなくて。それは私もダカラ、同じことナノ!アンタも強かったわよ」
なんだか、お前たち仲良くなったみたいだな。
さて、鍵も手に入ったことだし、ソフィアを助けに行こうか。
途中、偶然にもバーンシーと遭遇したのでテムカードを投げると、あっさり捕獲できた。
どうもおかしいと思ったら、異常に個体値の低いテムテムであった。レディーロッティーの持っているテムテムとは比べ物にならないだろう。
リリースしてしまおうかと思ったが、一旦テムボックス送りとした。
急ぎ足で、地下まで戻り、ソフィアが閉じ込められているオリの扉をあけた。
「ありがとう。何とお礼をいったら良いのやら・・・。これでアリッソラ道場に戻れるわ!あなたも挑戦してきてね。道場で待ってるわ」
えぇ、是非ともお願いしますよ。
ソフィーはサーフボードに乗って、一人で颯爽と海へと消えていった。
さぁ、私達もアリッソラに帰ろう。
激戦の末に、仲良くなったグランパとシーラルド(クリストル)。
次回はついにアリッソラ道場主のソフィアと戦うことになるだろう。けれども、この2匹が居る限り、心配することはない。
そう思うのである。
冒険はつづく。
群がる野犬、突如として喋りだした1匹の大鳥#6
「ここを通すわけにはいかんのじゃ!!」
バストンッ!(いいでしょう。それでは、殴り合いです)
そして、あっさりと負けてしまう通せんぼお爺さん。特訓後のテムテム達は負け知らずなのである。
「すまなかった・・・。命だけは、命だけは助けてくださらんか。ただ、孫の小遣い稼ぎがしたかったんじゃ。最近、孫からの要求が多くなって、つい無茶をしておったのじゃ・・・」
お爺さんも大変ですね。お孫さんに会ったら、金をせびるのをやめるよう言っておきますよ。
「そうか・・・。それは、ありがたい。わしの孫はマックスというのじゃ」
やれやれ、マックスですか。困ったものですね。
「ご主人さま、何で独り芝居なんかやってるんですか?先に行きますよ」
おぉ、クリストルか。今回は撮れ高が無いから、何とか話を盛っているんだよ。
「・・・?」
ソフィアを探して橋を進んでいると、道の突き当りが洞窟の入り口になっていた。おそるおそる入ってみると、大量の野犬スカイルが彷徨いている。
おそらく、狂犬病の予防注射なんてしていないだろうから、噛まれると私の致命傷になりかねない。
クリストルと二人で悩んでいると、どこからか声が聞こえた。
「ここは、私に任せてください。犬っころは得意分野ですから」
えっ、誰だ?
「そうです。ファラックです。ここは私にお任せを、スカイル共を一掃してみせましょう」
自分で得意だと言うだけあって、スカイルには強いようだ。クリストルは弱点で2倍のダメージを受けているが、逆にファラックは2分の1のダメージしか受けていない。
「フォフォッフォ、調子がでてきましたワヨっ!」
なんだか、キャラクターまで変わってきている気もするのだが、調子に乗ったファラックは、スカイルを容赦なく倒していき、気づくと数時間が過ぎていた。
「オーッフォッフォッフォフォ、もうこれで私は最強ザマスヨ。スカイルちゃんがいくら束になってきても私に勝てる見込みはゼロよっ」
「もうここに留まる必要は無いデスワヨ。スカイルは1匹残らず倒してしまいましたカラ。まぁ犬っころの事だから、どうせ何処からともなくやってきて、洞窟ですぐ増えちゃうでしょうけど。なんたって下品でお盛んな種族ですからね。アラヤダ、私ったら、ウフフ・・・」
う、うん。そうだね。ありがとう助かったよ。それじゃ、先に進もうか。
それにしても、君がこんなにも強いだなんて知らなかったよ。これからは、ぜひ先頭に立って戦ってほしいな。
「オーッフォッフォ、まぁこれは当然ザマショウネ。いいデスワヨ」
クリストル、残念だがお前は二番手に回ってくれ。すまない。
「えっ・・・」
突如として活躍を始めた一匹の鳥、ファラック改めグランパ。
主役を奪われたクリストル、果たして挽回は出来るのであろうか。
冒険は、つづく。
道場の営業自粛。ソフィアは何処へ?#5
アリッソラの東にあるソフィアの道場。
入り口のドアの上には大きな菱形をした水色に輝くガラスのオブジェが取り付けられている。また、道場の北側は大きな池と隣接している。池の前には、水のマークと、風のマークが掘られた木製の看板がある。
おそらく、この道場は、水と風のテムテムを使うことを理念として運営しているのかな。そんな事を考えながら、道場に入ろうとすると、今日は開いていないと門番をしている人から言われる。
「ソフィアが居ない時は、道場は閉めることにしているんだ。だって、ソフィアが居ないのに道場破りは出来ないだろ?」
ソフィアはいつ帰ってくるんでしょうか?
「さぁね、すぐ帰ってくると思っていたんだけど、今回はなかなか帰ってこないんだよ。ここから北にある、Ponts Offerts(贈られた橋)の方へ行ったと思うんだけど、もし良かったら探してきてくれないか?僕たちも困っていたところなんだ。」
わかりました。それでは、探しにいきましょう。
Ponts Offertsに向かう途中、町中でツアーガイドのお姉さんが何か困っていた。どうやら、この辺の地理にあまり詳しくないので、観光客からの質問に答えられないようだ。
いいでしょうガイドさん。私が何とかしましょう。
「皆さん、ここから南の方向へ行きますと、パワースポットの真っ赤な岩を、見ることが出来ますよ。えぇ、南というのは、ブリサルドゥマールの方向でしてね・・・。」
「その話、2回目ですよ」
まぁ重要な話ですからね、2回くらい説明しないとと思っているんですよ。はははっ。
「あと、パンフレットに書いてあることと違うんですけど?」
それは、一般の方には教えられていない、皆さんだけに特別な情報なんですよ。
「おぉ!それは、ありがたいなぁ。早く行ってみなくちゃ」
観光客に案内したあとで、ガイドのお姉さんに話しかけると、お礼に傘をくれた。
「あなたのお陰で、助かったわ。パンフレットに書いていない情報まで、教えちゃうなんて流石ね。えっと、失礼だけど、あなたの名前はなんて言ったかしら?」
マックスです。ザダールのマックスです。
「マックスね、覚えておくわ。また困ったら助けてちょうだいね」
えぇ、もちろん。それでは、私は先を急いでいますので、これにて失礼します。
道中は相変わらずゴールデンボールブリッジ状態で、戦闘が続く。バキバキに鍛え上げられたクリストルも流石に疲れ気味だ。
水系のテムテムを初めて捕まえた。ちなみに、一番右側にSVsというステータスがあるが、これがテムテムの個体値を表しているようだ。1~50であって、高いほど強いらしい。
個体値以外に、努力値のようなものもあって、一つのステータスにつき500まで増加する。ただし、全ステータスの合計の努力値は1000までが上限となっているようだ。テムテムの素質や、戦い方にあわせて努力値を増やしていくのが、このゲームのやり込み要素となっている。まぁ、この辺はポケモンと同じである。
簡易テムポリウムというのは、建築基準法みたいなものは無視されて建てられているのだろう。こんな崖の端っこに建てるなんて、いつ崩れてもおかしくない。
崩れて無くなる前に、しっかりと使わせていただく。
今日はこの辺までかなぁと思って、野宿の準備をしていると、クリステルが話しかけてきた。
「今回は、私の出番は無いんですか?」
そうだなぁ。進化でもしない限り、もう出番ないかもしれないよ。
「そりゃあんまりですよ。私のレベルはメンバーで一番高いし、毎回バトルで頑張っているんですよ。もっと紹介してくださいよ」
わかったよ。次回ね、次回。
「・・・。まぁいいでしょう。頼みましたよ」
次回は、ソフィアを見つけることができるのだろうか。
そして、クリステルの出番はあるのだろうか。
冒険はつづく。
アカデミアそして草むら修行#4
YoutubeのTEMTEM実況動画って、いくつかの人がアップしているんだけれど、どれもあまり人気がない。アーリーアクセス版の公開で、かなり注目を集めたとは言え、やはり開発版としか見られていないのだろうか。完成版でNintendoSwitchでも遊べるようになれば、一般のプレイ層にも広がってヒットするのかもしれない。そう願いたいところである。
さて、Youtubeの実況動画を見ていて、大きな勘違いをしていた事に気づいた。
ここにジムリーダーのソフィーが居るのかと思っていたが、アカデミアはテムテムに関する勉強をするところで、道場ではなかった。
どうも初めまして。テムテムの事を勉強させてください。
「いいでしょう。自由に講義を聞いて、勉強してください。アカデミアとは名ばかりで、10分もあればテムテムの事が全てマスター出来ますよ。簡単、簡単。・・・日本語でならね」
受付で許しを得たので、アカデミアでテムテムの勉強する。
先生から何かを教えてもらうスタイルではなく、机の上にある書籍を勝手に読めば良いようである。
色々あるのだが、特に重要なのは属性だろう。TEMTEM達には12種類の属性があって、それぞれの属性は、別の属性に対して得意と不得意がある。ポケモンのタイプと似ているが、直感的にはわかりづらいので、覚えるまでは以下の表などが役にたつだろう。相手の弱点の属性をうまく突いて攻撃することで、効率よく倒して行くことが出来る。
引用:File:Type advantage wheel updated.svg - Official Temtem Wiki
ささっと書籍を読んだ後で先に進もうとしていたら、ロッカーの暗証番号のメモを無くしたという少年が居た。
テムポリウム(テムテムセンター)で落としたらしい。可愛そうなので、テムポリウムまで行って、落としたメモ用紙を探してきてあげることにした。
発見した暗証番号の書いたメモ用紙を見ると、4桁の数字が書いてある。
「1ー2-3-4」
おいジョセフよ、こんな簡単な暗証番号をわざわざメモ用紙に書かないと覚えていられないようでは、アカデミアでの勉強は無理ではないか。いますぐやめて、故郷に帰り、父母の農業でも手伝ったほうがいい。
やれやれ。このリンゴを作ったジョセフの父や母の苦労が、目に浮かぶようである。
さて、ソフィアの道場はさらに北に行ったアリッソラにあることがわかったので、次に進むことにしたい。
だが、問題が一つ。
アリッソラまでの道中、多くの戦いが予想される。しかし、同じテムテムだけ使っていては毎回テムポリウム戻りになるので、効率が悪い。
クリストルとツワイ以外が弱すぎるので、近くの草むらで、少し修行することにした。
数時間に及ぶ草むら修行。テムテムトレーナーの戦いと違って、経験値が少なめであるので、なかなかレベルが上がらない。
修行の成果を試しに、アリッソラまで一気に進む。
ザダールからブリサルドゥマールまでの道中とは違い、目の前に立ち塞がるテムテムトレーナー達をあっというまに片付けていった。
道中で私と知り合いだと言うおばあさんに出会った。どうやら、私が小さい頃にテムテムバトルを教えてくれたらしいのだが、まったく記憶にない。
ごめんなさい、カルマンさん。積もる話はまた今後にしましょうね。
疲れたので、ベンチで一休み。自分だけ座って休んでいると、クリステルが話しかけてきた。
「私たちの回復はどこで出来るのでしょうか?」
ごめんよ、クリステル。おそらく目的地のアリッソラまで出来ないと思うよ。
「道具に回復薬があるではないですか!それを使っていただければ、嬉しいのですが」
回復薬は高いから、簡単には使えないんだ。わかってくれ、クリステル。
「・・・・・・」
道中の茶番劇を終えて先に進んでいると、草むらでガンキという新しいテムテムが出てきた。初めてのエレクトリック属性。水や風に強いので、おそらく道場に挑戦する時に役だってくれるのではないだろうか。
ツワイは戦闘不能、クリステルも瀕死の状態だが、ブリサルドゥマールに戻ることもなく、どうにかして辿り着いた。
修行してなかったら早々に行き倒れするところだったな。危ない危ない。
次回は、ソフィアの道場破りが出来るだろうか。
つづく。
ブリサルドゥマールに辿り着く#3
釣り人たちの穏やかな町、ブリサルドゥマール。ここまでたどり着くのは、想像以上に大変だった。
ザダールをマサラタウンだとすると、トキワシティを越えて、おつきみやまの入り口のポケモンセンターまで一気に進めたぐらいの感じだ。
何が疲れるかと言えば、通り道に居る人たちから強制的に勝負を挑まれることだろう。どうやっても素通り出来ないのである。
ここからは、ブリサルドゥマールまで道のりの回想である。
「(恥ずかしいから)私を隠して、サラ!」
「あなたがサラよ」
どちらでも良いので、早く道をあけてください。
私のテムテム達はもう疲れちゃってて、バトルはやめてください。その先のテムテムセンターで回復したいんですが・・・。
「おや、フェド(相棒)!お客が来たようだぜ!やっちまおう」
やれやれ。こっちの話は聞いちゃいない。
どうやら、ここの島民たちは、二人組で戦いを挑んでくるのが好きらしい。傾向としては、二人組の方が、1人より弱いテムテムを使っている気がする。弱い者ほど、群れて戦いたがるのだ。おそらくは。
レベルはサクサクあがっている。進化もするのかな?楽しみである。
海の砂浜に建てられた簡素なテムテムセンター。海からの潮風をまともに受けており、あっというま機械達がサビサビになって壊れるのが目に見えるようだ。とてもじゃないが、長期経営は見込めないだろうから、潰れる前にしっかり使わせていただく。
一番右から、テムテムの傷を癒やす道具やテムテムを捕まえるためのテムテムカードが売られているお店。次に、手持ちのテムテムをボックスに預けたり、ボックスからテムテムを引き取ったりすることが出来る装置。そして、手持ちのテムテムたちを全て回復してくれる装置だ。
回復装置は、シンプルで使いやすい。テン・テン・テレレーと、どこかで聞いたことのある音楽も聞こえてきそうだ。
ここから、目的地のブリサルドゥマールまで6回も戦わなくちゃならないのだが、都度ここまで戻って回復してから次の戦いに進んでいた。
全部は紹介しないが、新しいテムテムや、進化したテムテムを見せつけられ、今後の冒険に少し胸が膨らむ。もちろん、今後もこのゴールデンブリッジ形式のような戦いを続けなければならないと思うと辟易するのだが。
太陽が西に沈みかけた頃、這々の体で私達はブリサルドゥマールに到着した。どこか休憩所で一休みさせてもらおうと、町の中へ入ると、さっそく博士とマックスに捕まった。
博士から、ちょうど良い時に来たと、ソフィアという人を紹介される。
おそらく、この人が最初のジムリーダーになるのだろう。
ソフィアは、ブリサルドゥマールの町を丁寧に案内してくれた。道楽博士やクソガキと、道場経営者との格の違いだ。
次回は、心苦しくもあるが、この優しいソフィアに戦いを挑んで道場破りをしなければならないのだろう。そうしなければ、先に進めないのだ。
今日はここまで。
冒険はまだまだつづく。
ポケモンセンターを探して#2
マサラタウンのような街から北の方に進んでいると、さっそくおじさんから戦いを挑まれた。弱いので特筆すべきは無かった。
「博士は、君を良く訓練した。すばらしい。フェリシタシオンっ!」
ありがとう、おじさん。(飽きないように)頑張ります。
タテルというテムテムを使ってきた。冒険を始めたばかりなので、相手も手加減してくれているのだろう。二人がかりのくせに、近くの草むらで獲れたてだと言わんばかりの弱さである。
何を言っているか正確にはわからないけれど、どうやら戦いを挑んできているらしい。
「はは、こんなところで戦いを挑まれるとは思わなかっただろう!だが、逃げられねぇぜ」
勝負自体は負けはしなかったが、連戦によるダメージの蓄積で、クリストルが戦闘不能になってしまった。これでは、先に進むこともできないので、どこか回復してくれる場所を探さないといけない。
「ベッキャリオさん、私のテムテムが瀕死なんです。回復していただけますか?」
「正直にいって、君とマックスが博士と一緒にブリサルドマールまで行けるなんて、僕は嫉妬しているんだよね。(だから回復してあげないよ)」
そりゃあんまりだよ、ベッキャリオ。
仕方ないので他を探すが、ポケモンセンターのような建物はないので、最後の希望の自宅へ帰ることにした。
ママの顔は、身体のファジーな感じとちがって、やけに精細に描写されている。何となくNintendo64のゼルダの伝説の登場キャラクターに似ていて、気持ち悪い。
「何か言った?」
いや何も言ってない。とにかく、俺のテムテムが元気なくなっちまったんだ。何とか頼むよママ。
申し訳ないけれど、何を言っているのかまったくわからない。会話が終わると同時に、ピロリンと小気味よい音がした。
へへっ、さすがママ。こんな技術を持っているのだから、コンスタンティノス博士の研究所で働くといいよ。嫉妬に狂って役に立たないベッキャリオは博士にクビにしてもらうからさ。
再び冒険へ出発。草むらで、新しいテムテムと出会った。ナゾノクサを彷彿とさせるカクというテムテムだ。
少し弱らせてから、テムテムカードを使って捕まえた。
何かニックネームをつけてあげたい気もするんだけれど、本当の名前がわからなくなってしまいそうなので、とりあえずそのままとする。
今日はここまで。思ったより時間がかかっている。最初のジムリーダー戦は結構先になるかもしれないな。明日は次の街まで行けると良いな。